アスタキサンチン

アスタキサンチンは寿命を37%も伸ばす?

アスタキサンチンはカロチノイドの一種です。

 

カロチノイドは自然界が生み出す代表的な色素のひとつで、黄色〜橙色〜赤色を呈する脂溶性の物質です。

 

われわれの身の回りでは、おもに人参やトマト、トウモロコシなどの色を作っています。
鮭や熱帯魚の体色もカロチノイドによるものです。

 

自然界の作るカロチノイドは膨大で、年間約1億トンにものぼります。

 

そのほとんどがプランクトンや植物の葉、藻類などの小さなものに蓄積されていますが、食物連鎖を通じて魚介類や陸上動物に取り込まれています。

 

カロチノイドはカロチン類とキサントフィル類に大別され、ベータカロチンやリコピンなどはカロチン類です。

 

これまで健康効果がほとんど知られていなかったアスタキサンチンやゼアキサンチン、ルテインなどはキサントフィル類です。

 

ベータカロチンの抗酸化作用はずいぶん前から知られていましたが、実はアスタキサンチンはそのベータカロチンを遥かに上回る抗酸化作用を持つことが分かってきました。

 

しかも動物実験では、アスタキサンチンを投与した場合、寿命が37%も伸びたという結果を得たというのです。

 

栄養素のなかでは研究の歴史が浅いアスタキサンチンですが、その効果効能への期待は非常に高く、あっという間に注目を集めるに至りました。

アスタキサンチンは赤い魚に豊富

アスタキサンチンの代表格は海産物の筋肉や体表に含まれている赤橙色ですが、とくにサーモンピンクと称される鮭の色はアスタキサンチンの色そのものです。

 

鮭は本来は白身魚であり、その体色はプランクトンや海藻から蓄積されたもので、その卵であるイクラやスジコもアスタキサンチンの宝庫です。

 

ちなみに、甲殻類は生のままではくすんだ褐色をしていますよね。
これはアスタキサンチンがタンパク質と結合して存在しているためです。

 

加熱することでアスタキサンチンがタンパク質から離れて、本来の赤い色を発します。

 

エビやカニが熱湯で茹でられると、一瞬で赤くなるのはこのためです。

 

逆に、生のままでは赤い魚が、加熱すると白くなる場合もあります。
マグロなどがそうですね。
こうした魚の赤色は、ミオグロビンによるもので、アスタキサンチンとは無関係です。

 

加熱しても赤い、もしくは加熱すると赤くなるものがアスタキサンチンだと思って下さい。

 

いずれにしろアスタキサンチンは魚介類に多く含まれ、養殖のタイや鮭の色揚げ剤として使われています。

 

これはアスタキサンチンが豊富に含まれて赤みが増すほど、商品価値が高まるからです。

 

日本人はずっとむかしから、魚介類の「赤」に価値を見出していたのです。

 

そして今、その価値がさらに再評価されてきています。

アスタキサンチンが持つ抜群の抗酸化力

アスタキサンチンの一番の効果効能はその高い抗酸化力です。

 

活性酸素の毒性については、近年さかんに言われるようになり、老化の原因のひとつでもあるため「いかに活性酸素を除去するか」や「抗酸化」が健康長寿、美容に欠かせないテーマになってきました。

 

食品由来の抗酸化成分としては、ビタミンEとベータカロチンがよく知られていましたが、アスタキサンチンはそれら旧知の抗酸化成分に比べて群を抜いた能力を持っています。

 

ビタミンEのおよそ1000倍。

 

それほど強い抗酸化成分が自然界に存在しているわけですから、積極的に利用しない手はないでしょう。

 

そしてアスタキサンチンは、四種類ある活性酸素のなかでも、とくに毒性の強い一重項酸素の酸化反応と、体組織を連鎖的に破壊していく過酸化脂質の生成を抑える力を持っています。

 

こうしたアスタキサンチンの抗酸化作用は、LDLコレステロールの働きを抑えて動脈硬化を予防したり、血行を良くしたりなど、活性酸素から大いに身を守ってくれます。

 

免疫力の正常化や各種生活習慣病の予防など、アスタキサンチンは様々な肉体の不調に対しての防壁として大きな効果を期待できます。

 

ストレス社会である現代、いつまでも健康で若々しくあるために、アスタキサンチンは積極的に摂取していきたい栄養素です。

 

アスタキサンチンを詳しく知り、活性酸素に打ち勝ちましょう。

 

活性酸素についてより詳細に知りたい方は、活性酸素とはのページを参照して下さい。